2020年1月21日話の「間」を意識する
先日、あるドラマを見ていて、こんなシーンがありました。
主人公が主治医と話をしている場面です。
主人公「病気になる人が多いと医者は儲かるのに、なぜ医者は塩分の取り過ぎに注意しろなどと言うんですか?」
主治医「医者の言うことを聞かずに病気になる人が一杯いるんですよ。」
主人公「持ちつ持たれつですか」
主治医「違います」
この主治医の最後の「違います」というセリフを、主人公のセリフの後、間髪入れずに早口で言ったのです。
だから面白かったし、会話にキレの良さを感じました。
もしこのセリフを主治医が少し間をあけてからゆっくり言ったとしたら、「違いますよ、そんなんじゃありません」というイメージになって、特にそのシーンを際立てることにはならなかったでしょう。
このように、話をする上で「間」をコントロールすることはとても重要です。
日常会話でもスピーチにおいても、「間」を意識的に使うことで話の印象はガラッと変わります。
日常会話なら、
「私、雨男でね~。去年の冬、長崎に旅行に行った時も、雨よ降るな、と祈ったんです。そしたら」
としばらく間を取ってから
「雪だったんです。」
と言えば、その意外性が強調されて会話はグッと面白いものになります。
これを「そしたら雪だったんです。」と間を取らずに話したのでは、聞き手が意外性を味わう間がないので、面白さも半減してしまうでしょう。
スピーチをする時も、冒頭で
「皆さんは最近人に感謝されたことはありますか?」
と言ってしばらく間をあけると、聞き手は「そういえば、あったかなぁ・・・」と考えます。
そして、2~3秒してから
「実は私は先日、とてもうれしい感謝のことばをいただきました。」
と続けると、聞き手はより興味を持って話しを聞いてくれるでしょう。
この「間」をもっとも極端な形で活用したのは、みのもんたさんです。
2000年から2007年まで放映されたクイズ$ミリオネアという番組をご覧になった方は多いと思います。
その番組は、クイズに間違わずに答えていけば獲得賞金がどんどん上がる、というものでした。
回答者が出されたクイズに対して、答えます。
そうすると、みのもんたさんは
「ファイナルアンサー?」と、それでいいんですか?という音調、表情とともに聞きます。
回答者が「ファイナルアンサー」と行った後、長~い間を取って、ドキドキ感をあおるだけあおってから
「正解!」などと正解、不正解を知らせたのです。
この間は長い時には2分以上になったそうです。
2分はやり過ぎじゃないかな、と思いますが、この長~い間のおかげで、すごい緊張感が生まれて番組がとても盛り上がりました。
話に間を取ると、その時間は聞き手が考えたり、直前の話を自分の中で反芻したりする時間になります。
そうした時間を取った後、次の話をすることで、話し手と聞き手は双方向の会話をしている感覚になります。
そうすると占めたものです。
話を一層興味を持って聞いてもらえます。
しかし、多くの人は間を取ることでな生まれる沈黙の時間が怖くて、なかなか間を取ろうとしません。
そういう方でも、ぜひ少し勇気を出して、話に間を取ることを意識してみてください。
聞き手の印象が必ず変わるはずです。