準備で、気の重い集まりが楽しみになった
私は社長の代理で、年に10回程度、会社の代表者同士の懇親会に参加します。
このところようやく社長さんたちにも顔を覚えてもらい、話しかけてもらえ
るようになりました。でも苦しんでいることがあります。
それは、60代、70代が大半を占める社長たちを相手に、話題がなく会話が続か
ないということです。
「社長。今晩は。ご無沙汰しております。」
「ああ、山本君。ごくろうさん。忙しいかい?」
「いやあ、食べていくのがやっとですよ。社長のところはどうですか?」
「うちもそうでもねえな。」
お決まりの会話を終えてしまうと、もう続けられる会話はありません。
会の後半は、いつも早く終わるのを待つだけの気まずい時間になっています。
そのため懇親会は、気が進まないのです。
そもそも私の業界は年齢層が高く、私の会社では、社員の半数以上が60代です。
そのため、年配の方との会話は避けて通ることができません。
何とか会話を弾むようにしたいと思っていました。
教室で「話の材料集めの大切さ」を学びました。
目から鱗が落ちたのは「どんなに料理が上手でも、材料がなければ料理はでき
ない」という言葉でした。
準備を怠っていた自分は、どうやら武器を持たずに、戦いの場にのぞんでいた
ようです。
それからというもの、今まで興味のなかったゴルフの話、草花や家庭菜園の話、
健康の話など社長たちがよく口にしている内容を、テレビやインターネットで
積極的に集めるようにしました。
人の話でも面白そうなことはメモを取るようになりました。
また、ずっとほったらかしにしていたゴルフも再開しました。
先日、ゴルフ好きの社長に会った時です。
「社長。私、最近ゴルフやるようになったんですよ。と言っても、まだ打ちっ
ぱなしに行っているだけですが。真っ直ぐ飛ばないもんですね。」
「ゴルフはな、結局打つ時の足の位置がすべてなんだよ。今度、組合のゴルフ
コンペに来いよ。みっちり教えてやっから、授業料は高えぞ。」
そこからゴルフ談義が始まり、いつもでは考えられないほど会話は弾みました。
これからの時期、総会などで年配の社長たちとの、交流の機会が増えてきます。
準備をすることで自信がついてきました。
イヤで憂鬱だった会が今では楽しみに変わりました。
これからも、会話の材料を集めることを、日々怠らないようにします。