日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2019年12月10日あがりを克服する場数の踏み方


話し方教室ベーシックコースを受講される方の大半は、人前であがらずに堂々と話がしたい、という思いをお持ちです。



人前で話す時にあがってしまい、話がうまくできなかった、もうあのような失敗はしたくない、という強い問題意識をお持ちの方が多いです。

そういう方は、受講姿勢も真剣そのものです。

コースを修了される頃には、多くの方が堂々とスピーチをされます。

あがりを克服するスキルについては、以前のブログで、自意識過剰にならない、ということについて触れました。

今回は、場数の踏み方、ということについてお伝えします。

 

話し方教室では、あがりを克服するスキルとして、場数を踏みましょう、ということをお伝えしています。

数多く、人前で話すことで、次第に場の雰囲気に慣れていき、あがりを抑えて話せるようになる、というのがその趣旨です。

しかし、単に場数をこなすだけでは、話し方が上達するとは限りません。

多少の場慣れはするかも知れませんが、機械的に数をこなしていては、話し方は上達しません。

いつも不満足な話に終わるので、次第にストレスが溜まっていくでしょう。

そうすると、結局、人前での話に対する苦手意識が拭えず、あがりも克服できません。

 

効果的な場数の踏み方は、実は、そんなに特殊なことではありません。

人前で話した後、自分の話し方を振り返り、よかった点と改善すべき点をそれぞれ1つ以上見つけて、それを言葉にまとめます。

そして、改善すべき点を克服する練習をした後、次の場に臨みます。

これができれば、あがりは改善していきます。

 

まず、自分の改善すべき点を見つけて言葉にします。

「原稿ばかり見て話してしまった。参加者の顔が少しも見られなかった。」

「途中で舌がちゃんと動かず、発音が曖昧なところが多々あった。」

「最初から最後まで、引きつった顔で話してしまった。」

そして、それを改善する具体的な行動を決めます。

「話を忘れた時は、原稿を見る。内容を確認したら参加者の方に顔を向けて話す。これを意識して1日1回スピーチ練習をする。」

「滑舌を良くするために、早口ことばを1日5回、大きな口を開けて行う。」

「1日3分、鏡の前で笑顔を作る練習をする。」

同時に、よかった点も必ず見つけて言葉にします。

「開始2分くらいまで、参加者の顔を見て話ができた。」

「いつもよりゆっくり話すことができた。」

「途中でうなずいてくれている人を見たら、笑顔が自然に作れた。」

よかった点を言葉にして意識することで、自分の成長を少しずつ実感することができます。

これはモチベーションを維持する上で、とても大切なことです。

こうして、1つか2つの改善点を克服する練習をして、次の話す機会に臨みます。

そして、また、よかった点、改善点を整理し、克服する練習します。

これを繰り返すことで、話し方は徐々に改善されていきます。

 

しかし、このプロセスを一人で継続するのはなかなか大変です。

苦手なことを続けていくのは、かなりの精神力が必要になります。

なので、話し方教室は、上のプロセスが継続できるよう、話す場を提供し、何をどのように改善すればよいか、アドバイスを差し上げています。

今日も、そうして3ヶ月を過ごされた方々が最後の講義を受けられます。

どんな成果発表スピーチを聞かせてもらえるか、楽しみにしています!
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