日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2019年11月13日事前に整理してわかりやすい話にする


わかりやすい話し方に関して、今まで「キーワードを意識する」「主題から話す」「話が長い訳」などについて書きました。

今回は、それに加えて、話す前にきちんと準備をしましよう、ということにについてお話しします。



 

話し方教室では、人前でスピーチをするときには、充分な準備をしましょう、ということをお伝えしています。

スピーチが苦手だ、人前で話すとあがる、と仰る方は、スピーチの前に充分な準備をされている方は殆どいません。

苦手だ、できればやりたくない、ということであれば、できるだけそれと関わらないようにして、早くやり過ごしたい、という気持ちになるのは人間であればごく自然なことです。

その気持ちを抑えて、しっかりと準備していただくことでだんだんと人前で話すことに抵抗感がなくなっていく、という趣旨のことをお伝えしています。

 

日常の仕事の中での報告や連絡、または、ご家庭でのご家族との会話などで、「何を言いたいのか分からない」と言われてしまう方にも、実は、同じことが言えるように思います。

話すことに苦手意識があったり、わからない、と言われることに焦りを感じてしまい、準備しないで、しどろもどろで話してしまう。

こういう光景をよく見かけます。

伝わる話をするにも準備が必要です。

 

ここでいう準備とは、話す前に言いたいことの要点をまとめる、ということです。

私は、話をまとめる際、大まかに、次のように分けて考えます。

「主張(言いたいこと)」

「主張する理由(なぜそれを主張するのか)」

「理由を支える事実(その理由は本当にそうか)」

例えば、こんな感じです。

【主張】今週のミーティングは中止にしよう

【理由1】急ぎの案件がないからね。
【事実1】4つの議題のうち、2つはメール会議、2つは来週のミーティングでいいよ。

【理由2】それに、今は他の仕事を優先した方がよさそうだしね。
【事実2】みんな、今週は提案資料作成で残業が続いているでしょ。

できれば、主張、理由、事実ともに、一つを20文字程度の短い文章で整理しておくと、頭に入りやすいので、話していても忘れることはまずありません。

メモしておく場合でも、20文字程度であればサッと書けますね。

この20文字という短さの有効性は、「キーワードを意識する」でお話ししたとおりです。

 

今回は、伝わる話をするために、話をする前に話の要点を、主張、理由、事実、に分けて事前に整理しておくというお話をしました。
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