日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2019年12月12日自分の体験を話す


今週の火曜日は、話し方教室ベーシックコース9月火曜教室の最終日でした。



最終日は、「この教室で学んで得たこと」をテーマに、3分間の「成果発表スピーチ」をしてもらいます。

私はこのスピーチをすべての教室の最終日に出席して、聞かせていただいています。

「事前準備であがらずに話ができた」

「自分の声に自信が持てるようになった」

「楽しく会話ができるようになった」

「聞き手思いの話し方に徹しよう」

などのテーマで、受講生の皆さんは、毎回、とても聞き応えのある話をされます。

 

今回も、受講生の皆さんは、

「スピーチが楽しくなった」

「自分の言いたいことが伝わるようになった」

「上司に理解してもらえた」

などのテーマで、とても説得力のある、素晴らしいスピーチをされました。

 

今回の成果発表スピーチで特徴的だったことは、ほとんどの人がご自身の成功体験を話されたことです。

成果発表スピーチでは、この話し方教室を受講して気付いたことを話される方もいます。

そうした話も、もちろん聞いていて大変うれしい気持ちになります。

しかし、より説得力のある話となると、やはり体験をもとにした話の方に軍配が上がります。

例えば、今回は、ある方がこんな話をされました。

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部下に話をした後、復唱させても全然違うことを言うことが多く、自分の言いたいことがきちんと伝わっていないことが悩みでした。

話し方教室で、「あいさつの大切さ」と「はじめに何が言いたいか(=主題)を言う」ということを学び、早速実践してみました。

まず、「○○君、おはよう!」と、明るく大きな声で挨拶することで、部下との距離が縮まりました。

そして、話の冒頭に「○○さん、自信をつけるにはどうしたらいいか、一緒に考えよう。」と話のテーマを言うことで、私の言いたいことが伝わりやすくなりました。

私はこれからもこの2つを実践していきます。

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人は自分が経験したことは、他の人に聞いて欲しい、と思うものです。その分、話したい!という意欲が湧きます。

なので、話し手は気持ちよく話ができますし、聞いている方にもその気持ちが伝わります。

昨日はそうした、気持ちの乗った、聞き応えのある話を多数、聞くことができました。

 

一般的に、我々は日々、色々なことを経験していますが、その一つひとつの経験に心を留めていません。

しかし、それらを敢えて意識して記憶に留めたり、記録したりすることで話のネタになります。

ここでいう話のネタとは、スピーチなどの話題とするだけでなく、日常会話などで話をしている際に、話を広げたり、深めたりすることにも使えます。

「俺さぁ、もういい歳なのに、弟と会うといつも子供みたいな口げんかしちゃうんだよな~。」

「ああ、そういうのあるよね。この間、中学の同窓会に行ったら、みんな口々に『おまえ、全然変わってないな~』なんて言い合ってたんだよね。人って歳を取っても変わらないところはあるよね。」

「なるほどね~。人の本質は変わらないということかなぁ。」

こんな感じで、相手の感じていることに共感し、それを深掘るような話題を会話の中に入れると話が深まります。

ぜひご自身の体験したことを言葉にまとめて、ストックしてください。

そして、機会を捉えてそれをスピーチにしたり、会話の中に入れて話すようにしてみてください。
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