2020年1月7日雑談をする時は質問をしよう
先日、話し方教室ベーシックコースを受講されている方が、こんな話をされていました。
「私はどうも雑談が苦手なんです。親しい人と話している時でも、次に何を言おうかといつも焦ってしまいます。」
雑談が苦手だという方の多くは、「何を話せばいいのかわからない」という悩みを持たれています。
確かに、何かの話をしないと会話は成立しませんので、話をしないと、と思うのは自然なことですね。
しかし、話し方教室では、日常会話のポイントは相手に話をしてもらうようにすることです、とお伝えしています。
人は一般的に、他人の話を聞くより、自分の話をする方が好きなのです。
中には、いやいや、私は話しベタなので自分の話をすることは好きではありません、という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そういう方は余り多くはいらっしゃらないようです。
多くの方は自分の話をしたいと思われています。
話し方教室では、相手が話をする時間と自分が話をする時間を7:3くらいにしてください、とお伝えしています。
それくらいでも、相手は5:5で話をしたな、と思うのです。
そして、自分よりも相手に多く話をしてもらうには、質問をすることが肝要なのです。
楽しく会話をするために質問をする。
これには、いくつかポイントがあります。
1つ目は、相手に興味を持つということです。
質問をして気持ちよく話をしてもらっても、自分が相手に興味を持たなければ、話を聞いていてもだんだんと退屈な気持ちになるでしょう。
そうすると、その気持ちが表情や態度に出てしまい、雰囲気がぎこちないものになりかねません。
相手の話を楽しく聞くためには、相手にできるだけ興味を持つことが大切です。
2つ目は、薄く広く知識や情報を収集することです。
サッカー観戦が好きな人に、
「へぇ~、サッカーのどういうところが面白いのですか?」と質問しても、
相手は「ああ、この人はサッカーに興味がないんだな。」
と感じてしまい、進んで話す気にならないでしょう。
ニュースなどを少し見ておくだけで、
「今シーズンはFC東京が好調ですね~」
などと、それなりの問い掛けができます。
新聞やニュースで報道されていることは少し見ておくだけでも、会話が弾む質問ができる可能性が広がります。
そして3つ目は、相手が答えやすい質問をすることです。
「旅行で行かれた信州ってどんな感じですか?」
「ラーメンがお好きとのことですが、なぜラーメンが好きなんですか?」
こうした質問は、少し漠然としていて焦点が定まらず、答えにくいものです。
私「信州旅行に行かれたんですね。」
相手「そうなんです。景色がとてもきれいでした。」
私「そうなんですか。心に残っているのはどんな景色ですか。」
相手「雄大な○○山の中腹から見たふもとの景色がとてもきれいで良かったです。」
私「そうなんですか。とても楽しそうに話されますね~。本当にきれいだったんでしょうね。」
相手「ええ、その景色を見ながら入った温泉がまた良かったんです。」
という風に、相手が話やすい問い掛けをしていくと会話もはずみます。
少し難しいかも知れませんが、意識することで上手くなっていきます。
雑談だけでなく、質問をすることは様々な場面で威力を発揮します。
ぜひ質問をすることを意識してみてください。