2020年1月5日ジャパネットたかた創業者の高田明さんから改めて学んだ
少し前に、ジャパネットたかた創業者の高田明さんがテレビ番組「カンブリア宮殿」に出演されていました。
ジャパネットたかたを創業し、同社の社長を引退された後は、長崎のJ2サッカーチーム「V・ファーレン長崎」の社長に就任。
3億円もの赤字を抱え観客数は減少の一途をたどっていた同チームを、経営的にもチームとしても見事に立て直したことなどがエピソードとともに紹介されました。
見ていてとても楽しかったのですが、私が一番心に残ったのは、37歳で実家の写真店から独立した時の、宴会場で撮った写真を売る話でした。
独立して間もない頃、何とか売上を上げようと高田さんが考えたのが、団体で温泉に来られた方に写真を売るということでした。
当時店を構えていたところから車で30分のところにある嬉野温泉の旅館に、高田さんは毎夕行っては、団体客の宴会の写真を撮りました。
そして撮り終えて店に戻るとすぐに現像し、翌朝早く、また旅館に戻ってその団体客に写真を売ったのです。
ただ黙って宴会の様子を撮ったのではなく、「はい、こっちを向いてくださ~い!」などと積極的に声をかけ、1人でいる人がいれば、周りに人を集めて写真を撮りました。
こうした工夫と努力のおかげで、写真は飛ぶように売れたとのことです。
高田さんは、この旅館で写真を撮って売るということを、16年も続けたそうです。
しかし、私の心に強く残ったのは、こうした工夫や努力をされた事実ではありませんでした。
その当時のことについて、番組のインタビュアー小池栄子さんが、「色々とご苦労されたんですね」と言ったのに対して、高田さんは、
「いえいえ、楽しかったですね~。失敗したらどうしようって考えたことはないですね。まぁ、何とかなると思っていたんじゃないでしょうか。」
と答えられたのです。
この言葉がとても印象に残りました。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、プラス積極思考を身につけよう、という講義があります。
私たちは、人前であがらずに話ができるようになると同時に、良い人間関係を築く話し方を学んでいただくことも目的にしています。
ネガティブでくらい考え方を持っていると、それが言葉に出てしまい、誰も話を聞いてくれなくなりますし、良い人間関係も築けません。
なので、人に良い影響を与えるような、ポジティブで明るい考え方をしましょう、ということをお話しています。
そのお伝えしている言葉の中に「世の中は心一つの置き所」というものがあります。
自分が物事をどのように解釈するかで、そのものが良いようにも悪いようにも、いかようにも捉えられる。
自分がどのような心を持つかですべてが決まる、という趣旨の言葉です。
正に、高田さんの上に紹介した答えは、この言葉を実践された好例だなぁ、と思いました。
独立して間もない頃で、先行きに希望とともに不安を抱くのが普通だと思います。
しかし、高田さんは将来の希望だけを胸に仕事に打ち込まれたのです。
また、高田さんは、「今この瞬間」を一生懸命生きる、ということに集中したそうです。
このことも、話し方教室でお伝えしていることですので、とても共感できました。
私も、まだまだ修行のみです。
プラス積極思考を今まで以上に意識していかねば、と改めて思いました。